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第326回定期会合録 2025/6/14

  • murase
  • 6月16日
  • 読了時間: 6分

6月14日(土)13:15~16:30 場所:港区生涯学習センター会議室

参加者(敬称略):村瀬、横山、安藤、石崎、佐藤、豊田、倉地、金森、飯田(記)

リモート参加:西川、山崎 欠席:南保 計11名 リアル・リモートハイブリッド会合


【総括】

・今回の会合のメインは、地元のテレビ局のディレクター兼放送記者 ゾーラさんをお招きしての異文化交流会。モンゴルの紹介と、日本とモンゴルを股にかけたパワフルな活動内容を紹介いただいた。

・その他、来月実施する世界遺産探訪研修計画(みちのくの政治と歴史の旅)の最終確認を行った。


【詳細】

1. モンゴル出身ゾーラさんによるモンゴル國紹介とドキュメンタリー視聴(担当:倉地さん)

(1)「モンゴルについて」

・40代のゾーラさんは、テレビ関連会社の報道記者。また、名大大学院ではジャーナリズムを研究中。

・初来日は2002年。好きな映像作品はアニメ「鬼滅の刃」。善と悪は必ずしも対比できるものではない物語が奥深いとのこと。好きな日本の食べ物は、母国にはなかった味「みたらし団子」。

・広さは日本の4倍だが。人口は330万人と名古屋より少し多い程度。遊牧民は3分の1。残りは街に住む。人口2分の1が首都ウランバートルに住むという片寄った状況で、車の渋滞は日常茶飯事。


・チンギスハーンの孫、フビライハンは元朝の5代皇帝。首都をモンゴルから北京へ移したが、約100年で滅亡した。現在は外モンゴルと中国内の内モンゴル自治区に分かれる。外モンゴルは清の支配下にあったが1921年独立した。

・モンゴルはロシアの影響下で社会主義が70年続いた。良い面としては医療制度や女性の社会進出が進んだ(現在も女性は強く社会で活躍。もともと遊牧民の伝統として男性が戦争に出ていったあとの生活を女性が支えたこともある。悪い面としては「宗教弾圧」。政治家や僧侶を中心に数万人が殺害された。

・1990年モンゴルもペレストロイカ等の影響で民主化し複数政党制と市場経済へ移行した。1992年に新憲法施行と「モンゴル国」へ改称し完全な民主主義国家へ。


・最近、首相が「贅沢」が原因で退陣した。ロシアのX(旧ツイッター)では「モンゴルでさえこれができたのに……」という論調が話題となった。

・モンゴルでは腐敗、格差、不平が社会問題としてある。民主主義移行時の制度変更、設計が不十分で過去からのコネなどで貧富の差が広がった。

・都市と田舎では生活がかなり異なる。ロシアと中国に挟まれているなか、「第3の隣国政策」(アメリカや日本など)を進めいくために都市では英語教育に力を入れている。


・遊牧民の服装はデールという民俗衣装で都市部と異なる。住まいは「ゲル」。組み立て式で3~4人で3時間程度で組む。ストーブは-40℃にもなる冬の暖房用と料理用。そのモンゴル料理はシンプルな塩味


・モンゴルの観光:草原や北部の山岳地帯のトナカイ、カザフト族のイヌワシ、砂漠のラクダなど。また、トランス-モンゴル鉄道は北京-ウランバートル-モスクワをつなぐ寝台列車の鉄道ルートで景色の変化が素晴らしい。子供時代のいい思い出だが、今はモスクワへは行けない。


・モンゴル相撲は生活の一部で学校では教えない。男子は皆子供時代からやっている。

・モンゴル人は助け合いが基本(厳しい自然で生きていくため)。表現はストレート。

・モンゴル人の挨拶「サインヤヴァーライ」は無事な行動を願っての「良い旅を」の意味。

・モンゴル人男性は家事や料理ができる人が多い(女性の社会進出や共働きによるもので、小さい時からやる)


・ゾーラさんは、モンゴル国立大学で日本を専攻。その後東京の女子大へ留学、愛知万博の際にモンゴル館で働くチャンスに恵まれ多くの友達ができた。また、そこで受けたTV取材の報道技術に感銘したという。

・日本愛が再燃したゾーラさんは帰国後再来日し、今のTV局の関連会社に就職し、報道記者の仕事やドキュメンタリー制作に励んでいる。

・2年半前からは名大大学院に入学し、論文「ソーシャルメディア時代のモンゴルの警察とメディアの関係」に取り組み中。


(2)ゾーラさんの制作作品ドキュメンタリー映画       国民と国家〜ある日戦争が始まったら〜」の視聴


・本作は日本テレビNNNの作品募集に応募したもの。2023年4月に放送された。

・ロシアにはスラブ人以外にアジア人、イスラム人、少数民族などが住む。その少数民族「ブリヤート人」の男性がウクライナ戦争への召集を逃れるため、モンゴルへ逃亡する姿を描いた。

 フルの1時間版ではウクライナでの召集問題も扱う予定だったが、放映は30分枠となったためブリヤート人部分が中心となった。


・ゾーラさんとしては、戦争を「国」対「国」ではなく「国」対「国民」の視点で描きたかったという。1時間版ではウクライナの現状も取材している。

・ドキュメンタリーでの取材は相手との信頼関係が重要だ。逃亡してきた人にどう信頼してもらって取材していくかが難しく辛い取材でもあった。

・「国家(のトップ)が国民に対し出兵を要することは間違っている」、「トップを決めるための選挙という仕組み」を無視してはいけないというのが、ゾーラさんの結論だった。


(3)質疑応答意見交換

・ソ連の衛星国はデモで平和裏に民主化が進み、ロシアとの関係を断った。一方でロシアと中国が接近。モンゴルは両国に挟まれており心配。ウクライナとモンゴルは他国とのバッファ国という立場が似ておりいかに立ち回っていくか。

・遊牧民の生活パターンと管理は?→遊牧民同士は互いに干渉しないよう固まらず、春はここ、夏はここというように4か所ぐらいを均等に移動する。単位は家族3人に羊300匹。自治体が住民票管理をしており、集落の学校で子供の教育が行われている。

・日本の給料が低いという件→昔は日本で働きモンゴルへ帰ると家を建てることができたが、今は違う。2000年初め頃、多くのモンゴル人がアメリカ、オーストラリア、韓国、日本に出国したが、日本の給料は上がらず他国との格差は広がった。ただ国は安定しており治安は良い。

・チンギス・ハーンを日本の歴史上人物に例えると?→織田信長かも。恐れられ尊敬されている。なお、「ハーン」は「部族の王」の意。チンギス・ハーンは「偉大な王」を意味する。

※最後にゾーラさんを囲んでの集合写真を撮影。


2. 7月の世界遺産研修「みちのくの政治と歴史の旅」について(石崎さん)

・変更事項はなし。各自搭乗手続きに必要な予約番号を控えるなどの準備のこと。


3. 8月以降の計画について(村瀬さん)

・8月9日:西川さん体験報告:「空調理論と水蒸気」と「会社生活の振返り」を予定。

・9月13日:豊田さんの方で「美濃の自然・アート」を進めていただく。「モネの池」見学も検討中。


4.次回予定

世界遺産研修「みちのくの政治と歴史の旅」実施時期:7月11日(金)~12日(土)

以上

 
 
 

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